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ああ正妻/姫野カオルコ

本書には、世にも不思議な生き物が登場します。

目星をつけた男性を罠にかけて結婚にもっていき、結婚後は夫となったその男性を奴隷にしてしまう、という女性です。

女性であるワタシがそう思うのですから、男性の方だと怒りを通り越して、恐怖を感じるのではないでしょうか。

といっても、決してホラーではないのですが。

ああ正妻ああ正妻
(2007/03/26)
姫野 カオルコ

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大手出版社に勤める小早川は、有名女子大を卒業して、同じ部署でアルバイトとして働く雪穂から、自分の水着姿のテレフォンカードを押し付けるように渡され、その後、彼女の言う「安全日」を信じたあげく、妊娠した彼女と結婚することになります。

結婚するやいなや、雪穂は暴君に変貌し、家庭は彼女と彼女の母校に通う娘たちと彼女の母親のものとなり、金遣いの荒い雪穂から小早川はお小遣いとして1万円もらうだけで、出版社勤務という激務の中、妻のマッサージ、トイレ、風呂掃除などを命じられます。

小早川の知り合いの作家 瓶野比織子は彼から家庭内での話を聞かされ、同情するのですが、あまりにも度を越した内容に小説にするには真実味に欠けて無理だと考えてしまいます…。


男性としてはあまりパッとしない小早川に、結婚相手として標的を定めてハンターのごとく向かっていき、結婚後は好き放題に家庭を回していく雪穂に、ワタシはあきれもしましたが、同時に尊敬の念も抱いてしまいました。

このように目的がはっきりしている人は、良い悪いは別にして行動にブレがありませんし、迷いもありませんから。

ワタシのように、なんとなく結婚して、なんとなく子どもを産んで、なんとなく奥さんとお母さんをやっているような人は節目節目に迷いが生じてしまうのです。

尊敬というより、ちょっとうらやましいな、といったところでしょうか。

しかし、結婚して10年以上経った小早川に、知りあいの大学教授が「奥さんのどこが好き?」と尋ねたら、「性欲の対象としては見ても、愛情を感じたことは一度もありません」と答えるのを読むと、やっぱりこういうのはイヤだな、と思いました。

これは小説の中の出来事ですが、実際にはこんな女性はいないだろう、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

ワタシはこの目でしっかり見たことがあります。

その彼女の場合は、最初から1人に定めていたのではなく、目星を付けた2人のうち、おとせそうな片方の男性(ちなみに5歳下)に向かっていったのです。

その恥も外聞もなく、彼をおとそうとする姿は鬼気迫るものがありました。

その後、気の弱い彼と無事に結婚を果たした彼女は、今はどうされているのでしょうか?

なんとなく想像はつくので、あまり知りたくもないですけど…。


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麒麟の翼/東野圭吾

帯には、「加賀シリーズ最高傑作」とうたって


いるのですが、加賀恭一郎を主人公とする


このシリーズをほとんど読んでいないワタシ


には、最高傑作なのかどうかはわかりません。


しかし、おもしろいことだけは確かです。


加賀シリーズを読んだことのない方にも、お


ススメです。


本のはなし ホンの少し


東京 日本橋の橋の上の翼をもつ麒麟の像


の前で、胸を刺された中年男性 青柳が息絶


えます。


彼は別の場所で刺されたあと、そこまではな


んとか歩いてきたらしいのですが、そこで力


尽きたようでした。


そのすぐ後、現場近くで若い男性 八島が車に


はねられ意識不明の重体となるのですが、な


ぜか彼は青柳の財布を持っていました。


日本橋署の加賀、彼の従弟で本庁所属の松


宮を含む捜査陣たちの捜査で、青柳と八島の


関係がつながります。


最近、派遣先の工場で勤務中に怪我をした八


島は、労災隠しをもくろむ会社から解雇されて


おり、その工場の責任者が青柳でした。


いったんは、逆恨みした八島の犯行かと思わ


れたのですが、加賀は犯行当日の青柳の行


動に疑問を抱き…。






現代ものでは乃南アサの音道貴子シリーズ、


時代ものでは宇江佐真理の髪結い伊三次シ


リーズなど、決まった主人公がさまざまな事


件を解決するシリーズものって、結構多いよ


うですね。


これって、はまるとのめり込んでしまい、シリ


ーズ全巻読破ということにもなりますが、最初


の1冊目は、その主人公の人となりがよくわか


らないので、なんとなくアウェイ感を感じたりす


ることがあるのではないでしょうか。


しかし、本書は違いました。


加賀がどんなタイプの刑事なのか、松宮との関


係はどうなのか、がわからなくても、物語の展開


には全く問題ないので、アウェイではなく、ホーム


のつもりで読んでみて下さいね。



麒麟というのは、中国の伝説上の動物だそうです。


この麒麟に翼をつけた像が物語のキーワードにな


っていることから、このタイトルがつけられているの


ですが、どのような姿をしているかご存知ですか?


ワタシはよーぉく知っています。


麒麟といえば、やっぱりビールじゃないですか。


これからの季節、缶ラベルに印刷された麒麟サンに


ひんぱんにお目にかかることになるかと思います…。



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ダイイング・アイ/東野圭吾


幸いなことに、今のところワタシには、殺した


いほど憎い人はいません。


なので、現時点では殺人を犯す可能性はかな


り低いと思われます。


しかし、全くないわけではないのです。


そう、交通事故です。


ハンドルを握るワタシは、いつ加害者になって


も不思議ではありません。


本書は、交通事故に端を発したミステリーで


す。


本のはなし ホンの少し


1年半前に交通事故を起こして女性を死なせ


た慎介は、ある夜何者かに襲われ、頭を殴ら


れて、交通事故の記憶だけを喪失してしまい


ます。


彼を殴った犯人は慎介が死なせた女性の夫


であると思われたのですが、警察が駆けつけ


たときにはその男性は自宅で自殺していまし


た。


慎介は交通事故の記憶を取り戻そうと、動き


始めますが、そんなとき彼の前に謎の女が


現れ、彼を翻弄します。


その後、断片的に記憶を取り戻し始めた慎介


は、怖ろしい事実につきあたります…。






東野圭吾の作品は映像化されているものが


多いですが、これは多分されていないと思い


ます。


内容的には面白いのですが、映像化するの


は難しいような気がします。


どう難しいかは、読んでみて判断して下さい


ね。



タイトルの「ダイイング・アイ」ですが、ここ最近


でこれほど内容とタイトルがぴったりしっくり一


致したものはないのでは、と言いたくなるぐら


い的確なタイトルでした。


これもお読みになってご判断下さい。



目は口ほどにものを言う、と言いますが、確か


にそうですね。


目は喜びも悲しみも、ダイレクトに写しだします


から。



けれども、若い頃は目の奥に潜む心の内よりも、


目の大きさのほうに興味がいっていました。


ワタシは一重瞼なのですが、小泉今日子のよ


うなぱっちりおめめの二重瞼に憧れたものです。


しかし、それからウン十年を経た今は、目の大き


さなんて、どうでもいいんです。


それよりも気になるのは目の機能のほうです。


ここ数年、着実に迫りくる老眼の存在に、本を読


めなくなる日が来たらどうしよう…?と怯えている


のです。


なんとも色気の無い話ですが…。



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新・御宿かわせみ「華族夫人の忘れもの」/平岩弓枝


「御宿かわせみ」はくり返しドラマ化されている


人気時代小説ですが、「新・御宿かわせみ」と


なる本書は舞台を江戸時代から明治維新後


に移して、旧編の登場人物たちの、成人した


子どもたちが主人公となっています。


舞台と登場人物は変わっていますが、「御宿


かわせみ」の世界は失われていませんでした。


本のはなし ホンの少し


本書が新編の第1作ではないため、旧編の主


人公たちの維新後の様子がわからないのです


が、それでも十分おもしろく読めます。


旧編を読んだことが無い方でもすんなり入れる


と思います。


あらたな主人公たちも、彼らの親たち同様に人


情味厚く、それぞれの事件解決に尽力していま


す。


6つの短編からなる本書の中で「牛鍋屋あんじゅ」


は、自分の持つ才を生かすため、また愛する妻子


のために、維新の混乱に乗じて罪を犯した男性が


周囲の人を巻き込んで、さらなる犯罪に手を染め


てしまう哀しい物語です。


いつもながらなのですが、罪を犯した者の、そこに


至る事情が哀しくて、やっぱり新編になっても「御


宿かわせみ」だなと思わせてくれました。




新編の主人公たちも、旧編の主人公である彼らの


親たちと同じく、恵まれた容姿と秀でた才能を持ち、


そのうえ人情味に厚いのです。


それによって、それぞれの短編が成り立っているの


ですが、考えようによってはこのような完璧な人たち


というのは嫌みっぽくもありますね。


でも、そう感じさせないのは、舞台が現代ではなく、


江戸または明治時代だからではないでしょうか。


私たちの何世代か前の人が実際に生きた時代で


はあっても、京都―東京間を徒歩で移動した人々


のことを、同じ距離を新幹線や飛行機でわずか数


時間で移動する私たちからすると、同じ土俵に立


つことなど考えられないのではないでしょうか。


だからこそ、彼らを嫌みに感じたりせずにいられ


るような気がします。



そして、頭が良くて人情味の厚い彼らが差し出す


好意は、さりげなくてスマートです。


しかし、それは本当に困っているときなら素直に


受け取れても、そうでなければ、なんだか見下し


てる?と思ってしまっても不思議ではないかもし


れません。


ひねくれているワタシなら、そう考えてしまうと


思います。


なので、江戸・明治時代が舞台なら圧倒的な支


持を受ける「御宿かわせみ」ですが、現代では成


り立たないような気がします。



複雑なものが増えてきた現代は、人間の感情も


複雑になってきているのかもしれません。


いや、単にひねくれ者が増えてきただけ、とも


言えなくはないのですが…。



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赤い指


この写真↓中央部分が光って見えますが、


これは撮り方が悪いわけではなく (いや、そ


れもあるかも)、光る塗料が手の形に塗られ


ているためです。


幼い子どもの手のように見えますが、内容が


7歳の女の子が殺害される事件なので、その


女の子の手をイメージしたものでしょうか。


本のはなし ホンの少し


昭夫は、妻 八重子からの連絡で、慌てて勤務


先から帰宅すると、家の中で見知らぬ幼女が


死んでいました。


小学校でいじめを受けて以来、中学には通って


はいるものの、友達もおらず、自室に閉じこもり


気味の中学3年の息子 直巳の犯行でした。


昭夫と八重子は直巳を守るべく、死体を近所


の公園のトイレに遺棄しますが、警察の捜査は


まもなく昭夫たちの周辺にまで及んできます。


これ以上は隠し通せないと思った昭夫は、恐


ろしい計画を思いつき、実行に移します・・・。





性的変質者による幼女殺害、中学生の引きこも


り、母と息子のゆがんだ関係、認知症の老人の


在宅介護、と現代が抱える問題を全てと言って


いいほど盛り込んだような内容でしたが、結末


は親子の絆を確かめ合うというもので、ちょっと


ほっとしました。



我が家にも中学3年の男子がいますが、こちら


は引きこもるぐらいなら家出するという、直巳と


は違うタイプで、また、母であるワタシとは、こと


あるごとに大声で親子喧嘩を繰り返す仲なので、


ゆがんだ親子関係には該当しないように思いま


す。



それでも、子育ては不安です。



子育てが正解だったかどうかわかるのは、子


どもが大人になって、他人様に迷惑をかける


ことなく、自立した生活を送れるようになったと


知ったときだと思いますから。



そう考えると、まだまだ先は長いです。



子どもが幼い頃は、子育ては体力勝負、とよく


言われましたが、体格も体力も育てる対象であ


る子どもに追い越された今、何を以って勝負す


ればいいのでしょうか。



やはり、口でしょうか。


これは、かなり自信がありますね。


そう簡単には子どもに負けたりするはずがあり


ませんから・・・。



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