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ケータイ紛失!/吉村達也

出かけるときの持ち物チェックで欠かせないものは何ですか。

ワタシの場合、携帯かもしれません。

財布がなくても、運転免許証と電車のICカード(関西ではICOCAです)とクレジットカードがあればとりあえずは用が足せますが(この3つは財布に入っているので結局は財布も要るんですけど)、出先で携帯が無いと困りますね。

携帯依存症というわけではないのですが、大切な連絡が入ったりすることもありますから。

本書の主人公は、紛失した携帯をとんでもないヤツに拾われたために、人生を棒に振るかもしれないという恐怖に襲われます。

といっても、普通の使い方をしていれば、こんな恐怖を味わうことはないのですが…。

ケータイ紛失! (ハルキ文庫)ケータイ紛失! (ハルキ文庫)
(2008/02)
吉村 達也

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デパートに勤める尚美は、公園のベンチに置き忘れた携帯を何者かに持ち去られてしまいます。

尚美は直属の上司 津田と不倫関係にあり、彼女の携帯には2人の関係を赤裸々に表す、淫らな写真やメールが多数保存されていたため、拾った人物がその画像をネットに流出させるようなことがあれば、2人は社会的に抹殺されかねない、と恐怖におののきます。

何とか見つけ出さなければ、と2人が焦る中、ようやく拾い主が尚美の携帯から津田の携帯に電話をかけてきたのですが、その内容を聞いた尚美は、絶望のどん底に突き落とされます…。


携帯とパソコンにどっぷり浸っている現代のワタシたちに、それらで成り立つ社会というのはこんなにコワいものなのだ、ということを思い知らせてくれる内容でした。

デジタルなデータは失うときは一瞬ですが(これもまた怖い)、保存してあれば、限りなくコピーすることが出来ますし、インターネットの世界は誰もが情報を発信することが可能ですから。

それなのに、主人公の尚美がなぜ他人に見られて困るメールや写真を携帯に残していたんだろう?と思いましたが、ワタシ自身に置き換えると、ワタシも自分以外の人が自分の携帯を無断で見るなんてことを全く考えたことがないのでした。

見られて困る携帯でもないので。

なので、携帯とお財布、のぞかれて恥ずかしいのはどちらか?と問われたら、返答に悩みますねぇ…。


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さよなら渓谷/吉田修一


冒頭いきなり、かつて聞いたことがあるような


事件が登場します。


幼児が遺体で発見され、殺害したのは母親で


はないかとの疑惑が高まり、その母子が暮す


共同住宅の周りをマスコミが詰めかける描写


です。


そして、次に登場するのが、大学の野球部員


が集団で女性を暴行する事件です。


やりきれない事件のはずなのに、結末は切な


くなります。


本のはなし ホンの少し


俊介とかなこが暮す共同住宅の隣に住む里


美の4歳の息子が遺体で発見され、殺害した


のは里美ではないかとの疑いに、連日マスコ


ミが家の周囲を取り囲みます。


新聞記者の渡辺も、マスコミを煽るような行動


を取る里美を追っていました。


そんなとき、渡辺はひょんなことから、俊介が


大学時代に所属していた野球部で、他の部員


とともに起こした集団での女性暴行事件を知り


ます。


そして、ついに我が子殺害の容疑で逮捕され


た里美が、自分と俊介の間に男女の関係があ


ったかのような供述をし、また、俊介の内妻の


かなこも、2人の間に関係があることは知って


いたと警察に話します。


俊介には身に覚えのないことでしたが…。






男の子を持つ親にとっては、そう珍しいことでは


ないとは思いますが、ワタシもその例にもれず、


息子がケンカをして怪我をさせた、させられた、


の類のことは何度か経験しています。


そのようなときにはいつも、息子たちにはこのよ


うに言っています。


「相手に取り返しのつかない怪我をさせたら、そ


の相手だけでなく、自分自身の人生も台無しに


なるのよ」と。


まさにそうだな、と本書を読んで思いました。


救いを求めているのは、被害者だけではないの


かもしれません。


許されざる事件を起こしてしまった加害者も、真


の償いを求めて苦しむことがあるのかもしれない


な、と思いました。



許しを乞う者と乞われる者、どちらのほうがより苦


しいのでしょうか。


たまーに考えることがあるのですが、「ごめんなさ


い」という言葉は、言うほうか、言われるほうか、ど


ちらのほうがよりつらいんでしょうね。



性犯罪というものは、被害者本人だけでなく、その


家族にまで目を覆いたくなるような影響を及ぼして


しまうようです。


今さらですが、若い頃、近道だからといって暗い夜


道を通ったりしていたことが、いかに軽率だったか


反省しています。


しかし、今ごろ反省したところで、その類の事件に


遭遇することが着実に減ってきているであろうワタ


シには、もうどうでもいいことのように思われます。


おそらく、近い将来には(というより既に今でも?)、


夜道を歩いていても狙われるものは、金品しか無


くなるのに違いないので、性犯罪よりひったくりに


注意したほうがいいのかもしれません…。



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悪人/吉田修一


逃避行をしたいと思ったこと、ありませんか?


ワタシはあこがれますね、愛する人との逃避行


ってモノに。


といっても、一緒に逃げてくれる人もいなけれ


ば、逃げなければいけない何かも無いのです


が。


本書は昨年映画化され、スクリーンの中で妻


夫木聡と深津絵里が手に手をとって、逃避行


しています。


本のはなし ホンの少し


福岡で保険の外交員をしている佳乃は、同僚


との食事のあと、出会い系サイトで知り合った


祐一と会う約束をしていました。


しかし、その待ち合わせ場所に、以前バーで


知りあり、佳乃が一方的に熱をあげている増尾


が偶然現れ、佳乃は祐一との約束を反故にし


て、増尾の車に乗り込みます。


そして、翌日峠道で、殺害された佳乃の遺体


が発見されます。


しかし、増尾は連絡がつかない状態になっており、


祐一の自宅には警察が訪れるのですが…。





読み終えてまず思ったのが、映画を見てみたい


なぁ…、でした。


登場人物の背景がしっかり描かれているため、佳


乃がなぜ殺害されたのか、祐一はなぜそのような


行動に出たのか、そして後半部に登場する光代


は何を求めていたのか、が無理なく受け入れられ


るのです。


表紙に「妻夫木聡が出演を熱望した長編小説」と


あるのですが、真偽の程は定かではないながらも


ホントにそうかもしれないな、と思える作品でした。



本書はジャンルとしてはミステリーになると思うの


ですが、ワタシにはラブストーリーとしか思えず、そ


の切ない恋愛に涙したりしました。


結婚などゴールの見える恋愛は、多少なりとも打算


というものが働いているのではないでしょうか。


年収や身長などというわかりやすいものでなくても、


この先一緒に暮していけるだろうか、とか、この人は


浮気をしたりしないだろうか、など恋愛関係を続ける


ための何かを求めているはずです。


でも、逃避行する祐一と光代は違います。


ただ、一緒にいたい、という気持ちだけで先が見えな


いまま、逃げ続けるのです。


逃げきれないこともわかっていながら、でも離れたく


なくて、逃げるのです。


だからこそ、結末は切ないです。


ちょっと泣けました。



しかし、逃避行している人って、歯磨きはどうしてい


るんでしょうね?


お風呂はいつでもどこでもというわけにはいかない


ので、簡単に入れないことはわかるのですが、歯磨


きなら、コンビニさえあればすぐにできるので、明日


をも知れぬ逃亡中でもきちんと磨くことができますか


ら。


とーっても下らないことですが、毎晩10分歯磨きを


欠かさないワタシにはどうも気になって…。



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優しかった彼女をなぜ鬼嫁に感じるか/吉田たかよし


かなりインパクトのあるタイトルですが、内容


は、世のダンナ様方がこぞって奥サマのワル


クチを言う、というようなものではなく、このよ


うになる過程を脳科学的に解明したものです。


そうです、最近流行りの「脳」ものです。


本のはなし ホンの少し


第1章では、人間の不合理な行動について


科学的に解明しています。


「ダイエットが成功しない」とか「勉強しようと


してもやる気が出なくて眠くなる」などは、みな


さん経験があると思いますが、これらのことは


原始の頃には合理的なことだったそうです。


生命を維持することが全てであった原始の頃


には、食物を口にできなくても身体を維持でき


るよう、また脳に必要以上にエネルギーを回し


て肉体に回す分を減らさないために脳を働か


せ過ぎないよう、遺伝子がコントロールされて


いるそうです。


しかし、原始の頃とは生活様式が一変した現代


では、合理的であったことが不合理になってきて


いる、と著者は言っています。



第2章は、認知のゆがみをわかりやすい例と平


易な心理学用語で説明しています。


ここで、タイトルの謎が解明されているのですが、


わかってしまえば、そう難しい仕組みがあるわけ


ではなく、なーんだ、そういうことか!って感じで


した。


たった1回の失敗で、もうダメだと思ったり、キャ


ビンアテンダントが全員美人だと思ったりするのも


認知のゆがみだそうです。


確かに、これらのことに確たる根拠はないですか


らね。



ここには、私たちに認知のゆがみをもたらす思考


のパターンがいくつか挙げられていて、そのいず


れもワタシにあてはまることに驚き、軽く目まいす


ら感じました。


さすが、自他とも認めるマイナス思考の持ち主だけ


のことはある!と自分に拍手を送りたくなりました。


ゆがんでいたのは性格だけではなく、ものの見方


もゆがんでいたらしいです…。




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オリーブ/吉永南央


オリーブは自家不結実性の植物だそうです。


なので、実をつけるためには、1本だけでは


なく、違う品種のものを一緒に置かないとい


けないらしいです。


どうりで、我が家のオリーブには実がつかな


いワケですね。


単に手入れが悪いだけかと思っていました。


本のはなし ホンの少し


本書は、5編の小説からなる短編集で、表題


作の 「オリーブ」 はひとりの女性が突然姿を


くらませる話です。



ある日慎一が帰宅すると、結婚5年目の妻


響子が短い書置きだけ残して、忽然と姿を消


していました。


響子は、慎一が生活費として渡していたお金


を5年間で2,000万円も貯めており、それを


持って行方をくらませたのでした。


彼女の行方を追ううちに、実は2人は入籍して


おらず、彼女が全くの別人で、響子なる人物


になりすましていた可能性さえ出てきました。


姿を消す前日、慎一には黙って彼女が出席


した、慎一の知らない人物の告別式に謎が


隠されていました。


哀しい真実が…。






切ない裏切りと、哀しい復讐の物語でした。


響子は他人になりすまし、復讐のために慎一


と結婚するのですが、復讐のためとはいえ、


好きでもない男性と5年もの間一緒に暮ら


すのはつらいと思います。


共に生活するうちに、響子の気持ちは慎一に


傾いていたのではないでしょうか。


だからこそ、姿を消したのだとワタシは思いた


いですね。




理由はともあれ、響子は慎一を裏切っていた


のですが、ワタシの周囲に、頻繁に 「裏切ら


れた」 と口にする方がおられます。


登下校からトイレに至るまで、必ず特定の子


と行動することを約束している、小学校高学


年から中学生ぐらいの女子なら、頻繁に、


裏切った、裏切られた、といった話になるか


もしれませんが、いい年したオトナにそう度々


そんなことが起こるとは思えません。


だいたい、裏切られる人というのは、裏切ると


いう行為をした人にとって、その程度の存在


でしかないのですから、それを 「裏切られた」


と人前で言うのはどうなんでしょうね。


自分で、自分は軽んじられている、と公言し


ているようなものではないでしょうか。


また、こういう人はほとぼりが冷めると、裏


切った人と何ごともなかったようにつきあっ


たりします。


このあたりが、ワタシには理解できません。


ワタシなら、何も言わずに縁を切りますから。


なぜなら、京都人なので。



出前の配達が遅れても、大阪人は店の人に


怒鳴りながらも次回も注文するそうですが、


京都人は怒らず何も言わないかわりに、


二度と頼まないそうです・・・。




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