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逃亡医/仙川環

すばしっこさというものをかけらも持たずに生まれてきたワタシは、逃げるということが得意ではありません。

子どもの頃のオニごっこでも、すぐにつかまっていましたし。

本書は、いわゆる逃亡劇なのですが、逃げるのはお医者さまです。


逃亡医逃亡医
(2011/07/29)
仙川環

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刑事を辞めた奈月は、知り合いの遼子から人探しを頼まれます。

遼子の小学生の息子は移植が必要になるほど肝機能が低下していたため、息子への肝臓移植のドナーを引き受けてもらいたく、出産後1度も会っていない息子の父親 佐藤に連絡をとろうとしていました。

佐藤の職業が医者であると知った奈月は、すぐにでも見つかるだろうと考えていたのですが、彼女が佐藤の探索を始めたのと時を同じくして、運悪く彼は失踪していました…。



奈月が佐藤に行きつきそうになると、寸でのところで彼は姿をくらます、の連続で、気を抜けないまま一気に読破してしまいました。

映像化したら、おもしろいだろうなと思います。



お医者さまといえば、頭が良いことは勿論のこと、裕福なお家に生まれることも条件なのではと、ワタシなどは思ってしまうのですが、本書に登場する佐藤は違います。

そのことから、この逃亡劇が繰り広げられるのですが、読み進むうちに、その原因となる彼の過去が徐々に明かされていきます。

それは、お医者さまという、日のあたる世界の人間からはかけ離れた、暗く辛い過去なのです。

これ以上はタネ明かしになるので、書けませんが。



ワタシが子どもの頃は、お医者様の制服といえば、羽織るタイプの白衣が多かったのですが、最近は半袖の、羽織るのではなく、着るタイプのものも増えているようですね。

ワタシは、ネクタイを締めて白衣を羽織っているお医者さまにはあまり魅力は感じませんが、あの半袖タイプの白衣を身につけておられるお医者さまには、ちょっと惹かれますね。

これも、「制服姿はおとこっぷりが2割増しになる」の法則(?)が生きているのかもしれません…。


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天国はまだ遠く/瀬尾まいこ


『天国はまだ遠く』は数年前に、加藤ローサと


チュートリアルの徳井義実主演で映画化され


たと思います。


現役の国語の先生が書いた小説ということで、


少し気になって、読んでみました。


本のはなし ホンの少し


「私」は仕事も恋もうまくいかなくなって、自殺


をしようと京都の木屋谷という集落にたどり着


きます。



その集落で唯一の民宿たむらで、睡眠薬を多


量に飲みますが、約1日半の睡眠の後何ごと


もなく目覚めます。



自殺に失敗した「私」はもう一度する気にはな


れず、民宿たむらのたった1人の宿泊者として


しばらく集落に滞在します。



集落の美しい風景、おいしい食事、そして、経


営者「田村さん」と心を通わせるうちに、「私」は


自分がいるべきところはここではないと気づき、


やり直そうと決心します。



「田村さん」との未来を、少しだけ暗示させなが


ら・・・。





ワタシは、自分自身がグチグチ考えるタイプなの


で、こういうグチグチ考え込む主人公はあまり好


きではないのですが、これは読後感はよかった


ですね。



「私」が冒頭の暗さほど、実際は暗くなくて、そん


なに後ろ向きでもなく、意外と前向きだったせいか


もしれません。



あと、食べ物がおいしそうに描かれているのもよ


かったですね。


おいしそうな食べ物が登場する小説は、やっぱり


内容もいいですね。




ところで、この「木屋谷」という地名ですが、ワタシ


は京都在住(市内です)ながら、知りませんでした。



この小説と映画のおかげで、ここを訪れる観光客


が増えたかどうかは知りませんが、ちょうど今、春


の観光シーズンの京都市内は大混雑です。



街中には他府県ナンバーの車が、京都駅には観


光客らしき人々が、あふれています。



京都の春と秋の観光シーズンは、地元民はひたす


ら過ぎ去るのを待つのみです・・・。




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