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猫鳴り/沼田まほかる


よほど動物嫌いの方でない限り、犬派、猫派


のどちらかにわかれるのではないでしょうか。


ワタシは犬派ですね。


実家で犬を飼っていたということもありますが、


それ以上に、我が家の庭に野良猫が糞をする


ことが犬派にはしる大きな理由かと。


本書は、生まれて間もないときに拾われた1


匹の猫が約20年後に死ぬまでを3部にわけ


て描かれています。


本のはなし ホンの少し


第1部は、流産したばかりの夫婦が見知らぬ


少女が拾ってきた生まれたばかりの猫を飼う


ことになるまでを描いています。


第2部は、中学生になった少女の同級生で


父親と2人で暮らす不登校の男子の、思春期


の不安定な心と行動が描かれています。


第3部は、第1部に登場した夫婦の妻のほう


が亡くなって数年経ち、死期が近づいた猫(モ


ンと名付けられています)が残された夫と暮ら


す生活が描かれています。






猫の一生を描いているということから、なんだ


かほのぼのした内容をイメージされるかもしれ


ませんが、全く違いました。


どこか投げやりであぶなげな文章が、ペットを


飼うという、愛情に満ちた行為から離れているよ


うな気がしました。


猫がそばにいる空間で、中学生が「絶望」を論じ


たり、初老の男性が「希望」を感じたり、と人が思


うほど人の心は単純なものではないのかもしれ


ません。



第3部では、死にゆく猫の姿が克明に描かれてい


て、筆者自身の体験かも、と思わせられるぐらい


でした。


こういうのを読むと、ペットを飼うことに二の足を踏


んでしまいますね。


ホントは飼いたいのですが。


先日、オットとペットショップをのぞいたところ、店


内には他にもたくさん同じようにゲージをのぞいて


いる人がいたにも関わらず、ワタシたちにだけ、「ど


の子か抱いてみませんか?」とか「お安くしますよ」


などとやたら熱心に接客されてしまいました。


とりあえず適当な返事をして、なんだか腑に落ちな


い思いで店を出たのですが、もしかしたら、危機的


状況に陥っている関係を立て直すために、ペットを


飼おうとしている夫婦に見えたのかも知れません。


残念ながら、まだそこまでには至っていないと思う


のですが…。



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彼女がその名を知らない鳥たち/沼田まほかる


なくてはならないものというのは、身近にあり


過ぎて、そこにあるのが当たり前過ぎて、失っ


てしまうまで、その大切さに気付くことができ


ないのかもしれません。


肌に馴染んだシャツや、手にしっくりおさまる


マグカップのように。


ものだけでなく、人間もそうなのかもしれま


せん…。


本のはなし ホンの少し


十和子は8年前に、彼女を利用するだけ利用


して捨てた黒崎のことを忘れられないまま、陣


治と暮らしています。


陣治は自分を殺してまでも、無為な日々を送


る十和子のわがままをすべて受け入れ、優し


く接しているのですが、彼女は垢ぬけせず、や


ることなすこと全てが下品で無粋な陣治にひど


い言葉を投げつけ、つらく冷たく当たります。


そのうえ、十和子はデパートに腕時計を修理に


出した際の、担当者だった水島と関係をもって


しまい、妻子ある水島との恋にのめりこみます。


そんなとき、ひょんなことから、十和子は黒崎


が5年前から行方不明となっていることを知り、


また、水島から、誰かに尾行されているような


気がする、と聞かされ、この2つの事件に陣治


が関係しているのではないか、と考えるので


すが…。





途中まで、というよりも終盤までは全くそんな


気配すら感じさせない展開だったのに、結末


は涙があふれて止まりませんでした。



十和子と黒崎、十和子と陣治、の関係は、 冷


たくされると追いかけたくなり、優しくされると


邪険にしたくなるという、恋愛中の男女に有り


がちなものだと思います。


みなさんも経験されたことがおありではない


でしょうか。


しかし、十和子の場合、その度合が尋常では


なく、陣治に冷たくあたることで自分自身の心


の均衡を保っているようですらあるのです。


それが哀しくて…。



いわゆる「口がうまい」人というのは、やっぱり


異性を強く引き付けるものなのでしょうか。


黒崎も水島も、言葉巧みに話術を操り、十和


子の心をつかむのですが、第三者から見ると


こんなことを信じるかー?ってなことを平気で


口にするのです。


既婚男性が不倫をするときの決まり文句であ


る、こういうセリフです。


「妻とは別れて、キミと一緒になる。」


「キミと一緒になったら、あんなことも、こんな


こともしよう。」


「(全然そんなことないのに)もうすぐ、離婚が


成立するから、もう少し待って。」



ワタシはこういうことを言われたことがないの


で、こういう言葉で気持ちが傾くかどうかはわ


かりませんが、こんな言葉↓を囁かれたら、


間違いなくダメですね。


「キミはまだまだ十分若くて、美しい。」


ま、こんなことを言ってくれる人なんて、ぜーっ


たいにいませんから、どうでもいいんですけど…。



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崩れる/貫井徳郎


本書はミステリー短編集なのですが、それ


ぞれのタイトルが 『崩れる』 『怯える』 『憑か


れる』 『追われる』 『壊れる』 『誘われる』 『腐


れる』 『見られる』 と、どれもこれもおどろおど


ろしくて、内容もタイトルどおりドロドロした怖い


話ばかりでした。


本のはなし ホンの少し


『崩れる』は、画家崩れのイラストレーターの夫


を持つ好恵が主人公です。


結婚前は絵に対する情熱を熱く語っていた夫浩


一ですが、実際は社会への適応力がなく、ただ


怠惰に暮らすだけで生活費を稼ごうともしません。


好恵はそんな浩一にとうに愛想をつかしていまし


たが、息子 義弘のためと思い、工場でのパート


勤めで家族3人の生計を立てていました。


その義弘も大学を卒業して無事就職し、好恵が


ホッとしたのもつかの間、義弘は2ヶ月で会社を


辞めてしまいます。


本来なら働くべきである夫と息子が1日中家で


ごろごろしている中、好恵は毎日パートに出て、


帰宅後は休む間もなく2人のための食事の用意


をするという生活を続けていました。


そんな日々に耐えに耐えてきた好恵でしたが、


その暑い夏の日にとうとう事件は起こりました・・・。




若い頃、親の世代の人たちから、度々このような


ことを言われたものです。


「結婚相手は真面目に働いて、きちんと生活費を


持って帰ってくる人を選びなさい」と。



その頃は漠然と聞いていましたが、今ワタシ自身


がその頃の親世代の年齢に近づいてくると、その


言葉の重みがずしんと伝わってきます。



幸せを感じるには精神的に満たされているだけで


はなく、ある程度の物質的な満足も必要で、その


ためには、やはりお金が必要なのだと思います。




もし、夫が浩一のように働かずに1日中家でごろごろ


しているような人だったら、ものすごくうっとうしいで


しょうね。


きちんと働いて、生活費を持って帰ってきてくれる夫


ですら、多かれ少なかれうっとうしいのですから・・・。


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