FC2ブログ

今夜は心だけ抱いて/唯川恵

何かのきっかけで身体が入れ替わってしまった2人が主人公になる小説って、よく見かけませんか。

約30年前の大林宣彦監督の「転校生(主演は10代の小林聡美です)」では、高校生の男女が入れ替わり、東野圭吾原作の「秘密(広末涼子主演で映画化されました)」では、母と娘が入れ替わりますが、いずれも秀作でした。

本書も母と娘が入れ替わりますが、やっぱり秀作でした。


今夜は心だけ抱いて今夜は心だけ抱いて
(2006/03)
唯川 恵

商品詳細を見る


売れない小説の翻訳を細々としている柊子のもとに、離婚して12年間音信不通だった元夫の亮介から連絡が入ります。

柊子と離婚後、娘 美羽を引き取って再婚した亮介の用件は、海外赴任が決まったため、高校卒業までの半年間日本に残す美羽を預かってほしいというものでした。

家庭と仕事の両立が上手く出来なかった柊子は、離婚時に美羽が姑と一緒に暮らすことをのぞんだため、彼女を引き取れなかったという辛い過去がありました。

そして、美羽も母親らしいことを何もしてくれなかった柊子を憎んだまま成長していたのでした。

何とか2人の同居話をまとめようと、亮介は柊子、美羽と離婚後初めて親子3人で食事をするのですが、その時に突然のアクシデントが起こり、柊子と美羽の身体が入れ替わってしまい…。




47歳になって初めて17歳の美羽は、47歳にもその年なりの楽しみがあることを知ります。

そういえば、ワタシも17歳の頃は47歳の女性なんて、ただのおばさんでしかなく(美羽もそう言っています)、おばさんの生活など全く興味がありませんでした。

いつか、その年齢を迎える日が来るのにも関わらず、です。

しかし、今その年齢に近くなって、40代もまんざら捨てたものでもないな、と思います。

17歳と47歳、どちらがいいか?と聞かれても、即答はできませんから。

けれども、美羽のように17歳から47歳にいきなりとんでしまい、女性としての充実期である30年間が空白になるのはかなり辛いことだと思います。

筆者もそこに目を向けて、ストーリーを展開しています。



17歳と47歳を比べると、17歳の美容が美しさを追求するのに対して、47歳のそれは若さを追い求めているのがわかります。

確かにそうですね。

ワタシもここ最近、試着のポイントが「似合っているか」より「老けて見えないか」にかわってきましたから。

そして、もう一歩進むと、他の人と比べて若く見えるかどうか、なんてことを気にかけたりし始めるんですね。

先日、高校生の息子に「お母さんって、35歳に見えると思わない?(実年齢は40代)」と聞いてみたところ、「見えない!」と即答されてしまいました。

ちょっとムカついたので、「お母さんより老けてる35歳の人っていると思うけど」と抗議してみたところ、「お母さんと比べるかどうかは別にして、そういう人って、35歳としては老けてるはずだから、そういう人に勝ってうれしい?」と言われてしまいました。

あまりにも論理的な我が息子の説明に、キレるのも忘れて、ただただ納得してしまったのでした…。

おもしろいと思って下さった方クリックお願いします。ランキングに参加しています。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

スポンサーサイト

テティスの逆鱗/唯川恵

テティスとは、ギリシア神話の女神の1人だそうです。

母性に満ちて温かく、困っている人を放っておけない性格だったとされています。

本書の主人公である美容整形外科の女医の晶世も、美を追い求める女性たちの飽くなき要求に応えようとしています。

しかし、彼女たちの要求はとどまるところが無く、どんどんエスカレートしていくのです。

ここに登場する女性たちの美へのこだわりは際限が無く、読む者に怖ろしささえ感じさせます…。

テティスの逆鱗テティスの逆鱗
(2010/11)
唯川 恵

商品詳細を見る


美容整形外科医として優秀な腕を持つ晶世のクリニックには、様々な客が訪れます。

更年期を迎えた女優 條子(じょうこ)、優しい夫と可愛い息子を持ち、編集者として働く多岐江、売れっ子キャバクラ嬢の莉子、父親から援助を受けながら、そのお金を湯水のように使う涼香。

晶世にとって上客である彼女たちですが、その要求は常識の範囲を超えており、晶世を悩ませます。

しかし、心の奥にコンプレックスを抱えた彼女たちは、美容整形によってもたらされる表面的な変化では心が満たされることはなく、その要求はエスカレートしていくのです…。




美容整形は、最初の高いハードルを越えると、次からは極端にハードルが低くなり、次々繰り返していく人が多いと聞いたことがあります。

少し(ではなく、かなりかも)違いますが、ワタシも似たような経験をしたことがあります。

ワタシはアラフォーと呼ばれる年齢になってからピアスの穴を開けたのですが、実際に行動に移すまではものすごぉく悩み、病院に行ってからも、やっぱりやめようと、何度も待合室のソファから立ち上がったりしていました。

しかし、いざ開けてしまうと、「なーんだ、こんなものか」と、それまでの躊躇が嘘のように消えてしまい、「もうひとつ開けてもいいかも?」などと思ったりしたのでした(実行には移していませんが)。

このことから、美容整形という一線を越えた人の心理とはこういうものなのではないか、とワタシは思うのです。




主婦のランチの話題といえば、子どもと夫のグチに続いて、美容に関するものが多いような気がします(ワタシの経験上ですが)。

といっても、これから結婚するわけでも無く、オンナを武器にするお仕事につく予定があるわけでも無く、また、おそらくもう恋愛もしないであろう(と思う)女性たちの美容に関する情報交換など、たかが知れています。

テレビで見た安易な美容法だったり、話題になっているマユツバもののダイエット法だったり、口コミの美肌術だったり。

そして、不思議なことに、その場では熱心に話していたはずなのに、なぜか家に帰って夕食の支度を始めるころには、あらかた忘れてしまっているのです…。


おもしろいと思って下さった方クリックお願いします。ランキングに参加しています。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


セシルのもくろみ/唯川 恵


雑誌の読者モデルといえば、ティーンからアラ


フォーに至るまで、今最も女性が憧れるもの


のひとつといってもいいのではないでしょうか。


本書の主人公はアラフォーファッション雑誌


(『STORY』みたいなものですね)の読者モデ


ルが主人公です。


本のはなし ホンの少し


自動車メーカーのエンジニアの夫と中学生の


息子と暮らす専業主婦の奈央は、友人に誘


われて、雑誌『ヴァニティ』の読者モデルに


応募し、採用されます。


奈央と同時に採用されたのは全員主婦では


あるものの、1人はハーフでマスコミでの仕


事が初めてではない葵、もう1人は生粋の


お嬢様で外科医の夫を持つ亜由子でした。


奈央は自分は場違いなのでは、と思いなが


らも続けていましたが、そんなとき、『ヴァニ


ティ』の表紙モデルであるミーナが降板する


という情報が流れてきます。


表紙モデルといえば、その雑誌の看板であり、


それをめぐって、モデルたちのドロドロした


駆け引きが始まります…。








誌面では、おしゃれな洋服を着て、素敵なアク


セサリーをつけて、高価そうなバッグを手にして、


にっこり笑っているモデルたちの裏側がこんな


にもドロドロしているとは…、と言っても少しも


意外ではなく、ウワサどおりだなと思いました。



もともと一読者に過ぎないはずの読者モデル


でさえも、お互いに足の引っ張り合いをしてい


るのには少しびっくりしましたが。



ワタシは、こういう雑誌でよく企画される、読者


モデルの「私物拝見」とか「夫と2人きりのデー


ト」という特集にものすごおく疑問を持っていて、


ホントにこんな高価なものをこんなにたくさん


持っているの?とか、肩書きは医者になって


いるはずの夫が、どうしてこんなに垢ぬけして


いて、写真慣れしているの?と思っていました。


が、本書を読んだおかげで見事解決できました。


理由を知りたい方は読んでみて下さいね。




ワタシの印象に残る雑誌のモデルといえば、


高校生の頃愛読していた、今は無き『mc Sister』


の専属モデルだったリカコと今井美樹ですね。


表紙を飾っていたリカコは『mc Sister』の看板


モデルで、ホントかわいくて何を着ても似合い、


読者の憧れの的であったのに対し、今井美樹


はダイエット特集に必ず登場する、モデルとし


てはぽっちゃりした女の子でした。


当時の今井美樹の身長体重が当時のワタシ


のものとほぼ同じだったので(全然どうでもい


いことですが、ワタシも今は当時より痩せて


います)、ワタシでもなれるんじゃないの?と


思ったりしました。


しかし、それからウン十年を経て、今井美樹


は磨けば光る石の原石であったのに対して、


ワタシはそこらに転がっているただの石ころ


だったのだ、と気付かされました…。



いろんな書評が読めます。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ

blogram投票ボタン

100万回の言い訳/唯川 恵


等身大の恋愛を描いた小説を得意とする唯川


恵ですが、「100万回の言い訳」は結婚7年目


の子どもがいない夫婦の話です。


本のはなし ホンの少し


インダストリアルデザイナーの結子は、40歳


を目前にして子どもを持とうを思い立ちます。


しかし、夫 士郎と約束したその日、2人が住む


マンションでぼやがあり、部屋が水浸しになっ


てしまいます。


部屋に住めなくなったため、仮住まいとして、


士郎は会社の独身寮に、結子は実家に、と


別居することになります。


最初は仕方なくのはずでしたが、別居は意外


にも2人にとって快適で、それぞれに、恋愛と


は呼べないまでも、男女関係を持つ相手が


現れます。


これといった問題もなく、それなりに円満な


夫婦だと思っていた2人ですが、部屋の改修


完了を間近に控えて、このままもう一度夫婦


として暮らしていくべきかどうか、迷い始めます。





夫婦と恋愛についての名言が、あちらこちらに


詰まっていて、おもしろかったです。



その中で、ワタシの印象に残ったのが、下記の


2つです。



『女にとって、恋愛はいわば別腹なのよ』


うんうん、確かにそうですね。


男性は、恋愛以外の仕事や趣味といったものに


没頭すると、恋愛に費やす時間やエネルギーが


減りますが、女性はいくら仕事や趣味にのめり


込んで忙しくても、恋愛はそれらとは別物で、


おざなりになったりすることはありません。


まさに、女性にとってのスイーツと同じですね。



もうひとつは


『夫婦の関係は、友情に近い』



これも、そんな気がしますね。


かつては恋愛というものをしたはずなのに、結婚


して一緒に暮らすうちに、ホントにそんなことをし


ていたんだろうか・・・?と疑問に思う方は少なく


ないのではないでしょうか。



また、子どもができたりすると、家族という組織


を運営する共同経営者となり、ますます恋愛感


情から離れたところに行ってしまうような気がし


ます。



ワタシは、「夫婦は家族なのだから、家族の中で


恋愛感情を持つなんておかしい」と言っているの


ですが、どうもこれ、独身の方には受入れ難いよ


うです・・・。



クリックおねがいします(^_^)v

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ


blogram投票ボタン
blogramランキング参加中!



プロフィール

keishomom

Author:keishomom
お引っ越ししてまいりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR