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異境/堂場瞬一

最近よく、女性刑事を主人公にしたドラマを見かけませんか。

先週から始まった「ストロベリーナイト」は竹内結子が女性刑事を演じていますし、映画化もされた「アンフェア」の篠原涼子はやたら発砲する刑事でしたし、「絶対零度」では上戸彩演じる新米刑事は潜入捜査なるものをやっていましたし。

本書にも、女性刑事が登場します。

しかも、例にもれず、設定は「美人」です。

異境異境
(2011/05/30)
堂場 瞬一

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上司との諍いが原因で、本社から横浜支局に異動になった日報新聞記者の甲斐は、そこで記者2年目の二階に出会います。

甲斐は、人を食ったような態度を取る二階に反発を覚えながらもなぜか気になっていたのですが、彼は翌日行方不明になってしまいます。

二階のことをよく思っていなかった他の支局員たちは、彼が自ら姿をくらましたと考え、誰も真剣に取り合わず、また、なぜか警察もこの件に関わるのを避けようとする中、若い女性刑事翔子だけは甲斐に協力的な態度を見せます。

そんな中、甲斐は誰が敵で、誰が見方なのか、わからないまま、事件に関わっていくのですが、それは途轍もなく大きなヤマでした…。




テレビドラマの影響なのか、刑事も新聞記者も一匹狼的なイメージがありますが、実際には組織に縛られている職業であることが、本書から読み取れます。

警察、新聞社に限らず、組織での仕事というのは、調整と協力が大部分を占めていて、個人の勘というものはあまり必要とされないので、自身の勘を信じて行動する刑事や新聞記者というのは映像の中ではかっこ良く見えても、実際には甲斐のように異端児とみなされても不思議ではないでしょうね。

異端児の甲斐は、異端児なりの方法で事件の真相に近づいていくのですが、やはり組織の後ろ盾がないというのは厳しく、甲斐は何度も危険な目に合うのです。



甲斐は上司でさえも、気に食わなければ食ってかかるタイプです。

そのため、上司にうとまれ、左遷とも思える異動を余儀なくさせられるのですが、ワタシ自身もそういうところが無いとは言えませんので、甲斐の心情がわからなくはありません。

ただ、このような人はやっぱり損をするな、と思いますね。

食わず嫌いのため食べ物の好き嫌いが多いワタシは、人間に関してもその傾向にあるようで、常々、食べ物と人間はとりあえず食べてみたほうがいい、と自分に言い聞かせながらも実行できなくて、なんとなく損をしているような気がしているのです。

虫が好かないヤツというはどこにでもいると諦めて、裏ではバカにしながらも、表面的には取り繕ってうまく付き合う、というのがオトナの処世術なのかもしれません・・・。


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プワゾン/藤堂志津子

恋愛といえば、寝ても覚めても好きな人のことばっかり考えていたいワタシですが、そんなに幸せなものばかりではないようですね。

車の中でも手をつなぐ(オットが言うにはAT車はそのための車らしいです)ようなことを、出来ればもう一度してみたいんですけどね。

本書は、大人の恋愛を描いた短編集なのですが、どれもこれもひとひねりもふたひねりもしたものばかりで、ワタシがイメージする甘い恋愛から程遠いです。

プワゾン (幻冬舎文庫)プワゾン (幻冬舎文庫)
(2006/08)
藤堂 志津子

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標題作の「プワゾン」は、妻子ある男性との関係にのめり込んだ友人が、その男性の妻に2人の関係をばらす電話をかけその妻を自殺に追い込んだ結果、後悔に苛まれて自分も自殺してしまう姿を冷ややかに見つめる女性が主人公です。

主人公の女性は愚かな友人の姿を横目に、恋愛など不要とばかりに見知らぬ男性と一夜限りの関係を続けるのですが、こういうのはワタシには理解できないですね。

友人が理性を無くして恋愛にのめり込む姿も理解しがたいですが、主人公が見知らぬ男性とベッドをともにするのも、ワタシには考えられないことですから。

あんなに恥ずかしいことは、好きになった人とだからこそできることで、そうじゃないとワタシはしたくないですね。

主婦の中には新鮮な出会いを求めて出会い系サイトにはまる方もおられるそうですが、同じ主婦とはいえ、どうもワタシはそちらのほうはデビューできなさそうです。

もともと人見知りなうえに、好きな人とでないとそのような行為が出来ないワタシでは、お相手の方のご希望を叶えることができないと思いますから。

でも、合コンはしてみたいですね。

もう、ウン十年していませんから。

どなたかセッティングして下されば、いつでも行くんですけどね…。


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漱石の妻/鳥越 碧


夏目漱石といえば、千円札になったこともある


人ですから、ご存知ないという方は少ないので


はないでしょうか。


数々の名作を生みだした偉大な作家は、癇癪


持ちであり、胃を患っていたというのはわりと


よく知られていることだと思いますが、その妻


が悪妻と言われていることはご存知でしょうか。


本書は、その悪妻と言われた夏目鏡子の視


点で夫婦の姿を描いています。


本のはなし ホンの少し


明治政府の官僚の娘 鏡子は、帝大卒の教師


夏目金之助にお見合いでありながらも、淡い


恋心を抱き、2人は結婚します。


しかし、夫婦としてわかり合う間もなく、イギリス


に留学することになった金之助は、遠い異国で


寂しくつらい生活を送り、また鏡子もわずかな


収入で暮らすというこれまでに経験したことの


ないつらい生活を送ることになるのでした。


ようやく金之助が帰国し、2人の真の夫婦生活


が始まるかと思いきや、金之助は留学中のつら


い生活の影響なのか、精神を病んでいました。


幻聴から始まり、鏡子に言葉と身体の暴力を


ふるう金之助でしたが、鏡子は幼い子どもたち


を守りながら、必死に耐えます。


その後、金之助が目指していた文筆で身を立て


ることが叶うと、彼の精神の病は身を潜めるの


ですが、決して完治したわけではなく、定期的に


顔を出し、鏡子を苦しめます。


それでも、7人もの子どもを儲け、傍目には幸せ


に見える生活を送る夏目家の内情を知らない弟子


たちは、鏡子を悪妻呼ばわりするのでした…。







作家には精神を病むひとが多いようですね。


芥川龍之介もそうでしたし、川端康成もそうだっ


たと聞きます。


創作とは身を削る程つらいものなのでしょうか。


確かに、新聞に小説を連載するなんて、毎日毎


日追いかけられて息つく暇も無さそうで、逃げた


くなる気持ち、わからなくもありません。


しかし、家族の立場になれば、こんなことを言っ


ていられないでしょうね。


立派な作品など書かなくてもいいから、普通の


生活を営んでほしいと思うに違いありません。



鏡子は家庭の温かさを知らずに育った金之助


に家庭の温もりを与えてあげたい、と思ってい


たのですが、金之助の病のこともあってか、2


人はうまくかみ合わないのです。


鏡子は金之助を理解したい、と思い続け、また


金之助が結婚前に憧れていた今は亡き兄嫁に


嫉妬するのですが、ワタシにはこのあたりのこ


とが理解できませんでした。


夫婦なんて、全てわかり合っているような気に


なっていても、実はそんなことないんだろうなあ


というのはなんとなくわかりますし、それでいい


のではないでしょうか。


それに、結婚する前にお互い誰が好きだったか


とか、誰と付き合っていたかなんて、済んだこと


なのなら、どうでもいいような気がしますから。


凡人と結婚したワタシと類い稀なる才能を持つ


漱石と結婚した鏡子とでは、比べること自体間


違っているのかもしれませんが。



でも、この夏目夫妻、子どもを7人も儲けたの


ですから、案外仲が良かったような気がしない


でもありません。


ワタシは、子どもの数と夫婦の仲は比例すると


いう持論を主張しているのですが、そうでもない


よ、というご指摘をうけることがあります。


しかし、知り合いの4人のお子さんをお持ちの方


はご主人の話をされるとラブラブ感が漂ってい


ますし、別の方は出勤前のキスをされているそ


うですから。


とすると、仲の良い夫婦を増やすということは、


少子化対策に大変有効な手段なのではないで


しょうか。


といっても、国としてこんなことをスローガンに


掲げるのもどうかと思いますが…。



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かげろう/藤堂志津子

本書は 「かげろう」 「あらくれ」 「みちゆき」 の


3編からなる短編集です。


どの主人公も、幸せを感じるところがワタシと


は全く違い、興味深かったです。


本のはなし ホンの少し


「かげろう」 は、25歳上の美術評論家の夫に


先立たれて、43歳で未亡人となった女性の


話です。


愛して止まない夫を亡くした雪江は、その憔悴


した心を、かつて夫を慕ってよく家に来ていた


若者 乙彦とその妻 紅子の親身な慰めにより、


少しずつ元気を取り戻します。


夫が十分過ぎるほどの財産を残してくれたた


め、子どももなく、財産を残すべき親族もいな


い雪江は自分の力となってくれた乙彦と紅子


夫妻と養子縁組をしようと考えるようになります。



最初、紅子にだけその提案をした雪江は、紅子


が躊躇するのも気にせず、手続きを進めてしま


います。


それから、紅子の雪江への金の無心が始まり、


雪江を悩ませるようになりますが、突然紅子は


自殺を図ってしまいます。





養子縁組というと、家族が増えて、幸せそうな


イメージがありますが、財産が絡むと途端、


ドロドロしてきますね。


最近も、養子縁組した夫婦と養母の間でトラブ


ルがあり、養母が殺害されるというような事件


が実際にありましたし。


世の中には、大金を目にすると、果てしなく


欲が深くなる人がいるらしいです。



以前ワタシが法律事務所に勤めていた頃、資


産家の娘 (といっても、もう中年でしたが) が


姉妹で遺産相続に関して激しく争うという事件


がありました。


最終的には、絵画などの美術品に至るまで


全て2等分するということで、決着がつきました


が、そのときに、こちら側の依頼者がつぶやい


た言葉を今でも忘れることができません。


「これでも、私たち、昔は仲が良かったんです


よ。」



そのあと、上司から聞いたところでは、妻の実家


の財産に目がくらんだ夫のために、その姉妹は


こんな結末を迎えることになったようでした。


そして、その上司は当時独身だったワタシに、


結婚相手はちゃんと見極めないといけないよ、


と忠告してくれました。



幸か不幸か、ワタシもオットも、実家には人生


を誤るような資産がなかったため、夫婦2人で


住宅ローンを返済していく平和な日々を送って


おります・・・。




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お引っ越ししてまいりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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