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地下街の雨/宮部みゆき

またしても、ほぼ1ヶ月お休みしてしまいました。申し訳ありません。

年度がわりの時期は、母親業はどうしても多忙にならざるを得ないもので、そこに、今年度も「卒業・入学」セットが加わり、なんだかよくわからないまま、月日だけが過ぎてしまったようで…。

今回ご紹介するのは、そんな親世代だからこそ理解が出来る、秘めた恋愛です。

本書は、標題作を含む7編からなる短編集ですが、その中の『勝ち逃げ』は、大人だからこそ理解が出来る恋愛模様をサスペンス仕立てで描いています。

地下街の雨 (集英社文庫)地下街の雨 (集英社文庫)
(1998/10/20)
宮部 みゆき

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浩美は、母の10歳上の伯母 勝子が亡くなったため、通夜、葬儀の準備にかけつけます。

勝子は兄弟姉妹の中ではとび抜けて優秀で、国立大学を卒業後、中学教師をしていましたが、私生活は独身を貫き、浩美は厳格な勝子には可愛がられた覚えがないため、その死に関しても、特別な感情を持つことはありませんでした。

勝子は定年を迎えることなく亡くなり、きょうだいたち、特に男女関係でトラブルを頻発している末の妹 真喜子は、勝子が男性と縁の無かった人生を送った、と思い込み、彼女を憐れみます。

しかし、浩美は勝子のマンションの郵便受けに入っていた、既に封が切られていた古びた手紙を見つけて、勝子にきょうだいたちが知らない秘めた恋愛が過去にあったことを知るのですが、その手紙が書かれたのは浩美が生まれる前らしく、今頃なぜ?と疑問を覚えるのです・・・。




勝子の気持ち、ワタシにはよくわかります。

恋愛小説というよりもサスペンス的なつくりになっている内容なのですが、ワタシには謎解きよりも恋愛部分のほうが気になって仕方がありませんでした。

お互いに独身の恋愛というのは、何のしがらみも無く、わずかな曇りも無い(ワタシの数少ない経験上はそうですね)と思うのですが、大人の、いわゆるしてはいけないとされる恋愛(端的に言うと不倫ですね)は、そんな簡単なものではないと思うのです。

生涯の伴侶を見つけた人が恋愛すること自体が間違っている、と言われると、そうなのかもしれません。

でも、小林明子の『恋におちて』のタイトルどおり(古くてスミマセン)、恋愛とは理性でコントロールできるものではなく、「おちてしまう」ものなのだと思うのです。

だからといって、その感情のままに行動に移すのは、決して大人がとるべきものではないような気がします。

聡明な勝子は、相手の男性の事情を黙って受け入れ、聖職に人生を捧げる選択をしたのだと思うのです。



生涯の伴侶を見つけたとされるワタシですが、恋愛話(いわゆる『コイバナ』)は今でも大好きです。

自分にはこの先もう経験できないかと思うと、ますます『コイバナ』が聞きたいのです。

なので、高校生の長男にそれとなく話をふってみるのですが、彼の性格上、親にそんな話をするはずもなく…。

勉強も大切ですが(といっても、我が息子は決して勉強熱心ではないのですが)、人生において恋愛というものも結構重要なのではないか、とワタシは思うのです。

高2の長男に小バカにされながらも「お母さんも手をつなぐようなデートをしてみたい」とつぶやくワタシは、決して親として道をはずれているわけではないと思うのですが…。


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オニババ化する女たち/三砂ちづる

なんとも強烈なタイトルですが、内容のほうもそこそこ強烈で、賛否両論に分かれると思います。

オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す (光文社新書)オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す (光文社新書)
(2004/09/18)
三砂 ちづる

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冒頭いきなり、こんなこと書いてもいいのー?と言いたくなる表現が登場します↓

「社会のなかで適切な役割を与えられない独身の更年期女性が、山に籠もるしかなくなり、オニババとなり、ときおり「エネルギー」の行き場を求めて、若い男を襲う…。」

その後も、女性の性と生殖に関しての筆者独自の意見が次々展開されていきます。

結婚も出産もしない女性は、子宮の病気になりがちであるとか、結婚、出産はぜひ十代でするべきとか、離婚するのは夫婦間でセックスしていないからだとか。

笑いを誘う内容ではないのですが、ワタシは読みながら、ぷっ、と吹き出したのは1度や2度ではありませんでした。

でも、その中にとても素晴らしい詩も載せられていました↓

「子どもはあなたの子どもではない。あなたの弓によって、生きた矢として放たれる。弓を引くあなたの手にこそ、喜びあれ」

つまり、子どもはいつか手放さなければならない存在である、ということを言っているのです。

日頃は、親として有り得ない言動や行動を繰り返しているワタシですが、子どもは神様からの預かりものであるという意識だけは常に持っており、子どもの未来とワタシの老後が重ならないことだけは認識しております。

子どもには子どもの人生があり、ワタシにはワタシの人生があるわけで、それが将来寄り添うことはないのです。

なので、別れが近づきつつある息子をじっくり味わおうと、高1の長男に「ギュッとさせて(抱きしめさせて)」と言ったのですが、激しく却下されました。

でも、100円渡したら、家の中で一瞬ですけど、手はつないでくれました。

なんだか、援助交際っぽくてイヤなんですけど…。

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嘘とエゴ/南綾子


「生まれてから1度もウソをついたことがない」


と言っている方を見ると、ワタシは、「ウソつき


っ!」と思っていまいます。


まず、そんな人はいないと思っていますから。


といいながらも、気が小さいワタシは、脚色系


のウソはついたことはないのですが。


ここに登場する男女3人のクチから飛び出す


ウソは、芸術の域に達しているといってもいい


かもしれません…。


本のはなし ホンの少し


母親から半ば育児放棄されて育ち、クラスメ


ートから相手にされない小中高時代を送りな


がらも、自分の父親は某大物政治家だと信じ


て疑わない響子。


甲子園で活躍し、プロ野球選手を目指しなが


らも、大学時代に肩を壊し、その後は働きも


せずに、持ち前の容姿で次々と女たちを渡り


歩く新之助。


異父姉妹だと言って響子に近づき、響子には


幸せな結婚生活を送っていると偽ったものの、


実際は夫からDVを受けている初音。


30歳になるまで地道とは正反対の、嘘にま


みれた人生を送ってきた3人が、新之助が犯


した殺人をきっかけに互いに関わりあうように


なるのですが…。






根も葉もないところから、話を作り上げてウソ


をつく人って、いますよね?


ワタシのまわりにはいます。


最初は、まさかウソだとは思わず信じてしまう


のですが、1回ウソだ、とわかると、それ以降、


その方の言うことを信じられなくなります。


しかし、ご本人は、自分はウソをついているとは


全く思っていないようなのです。


こういう人って、ワタシのいくつかの経験から分


析すると、心に満たされないものを抱えている


ことが多いような気がします。


ここに登場する3人もそうです。


彼らは満たされない心をウソで埋めようとしてい


るように思えました。



このようなアクロバティックなウソをつくのはなか


なかできないワタシですが、こういうウソ ↓ はちょ


くちょくつきます。


情報通を自他ともに認める方が、披露して下さって


いる仕入れたばかりと思われる情報を、既に知って


いても、「全然知らなかったわ~」などと言ったりす


るのです。


なぜなら、それがオトナのマナーですから。


ただ、その方がその場にいなくなったあと、残った人


たちで、


「あの方、みんながずっと前から知っていたのに、今


まで知らなかったのかしら?」


と話すことはありますが。


ワタシはウソつきではないと思いますが、いじわるで


はあるかもしれません…。



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となり町戦争/三崎亜記


「となり町戦争」は、数年前に江口洋介と原田


知世主演で映画化されたと思います。


内容に興味があったのですが、なかなか読む


機会に恵まれなくて、ようやく読むことができ


ました。


本のはなし ホンの少し


舞坂町に住む「僕」は、広報誌で舞坂町ととな


り町が戦争を始めることを知ります。


そして、町役場から 「戦時特別偵察業務従事


者」 に任命された「僕」は、町役場の職員であ


る香西さんととなり町に潜入し、アパートの1室


を 「となり町戦争推進室分室」 として、香西さん


と夫婦を装って暮らし始めます。


とは言っても、「僕」 には自分が戦時下に置かれ


ているとはとても思えず、今までどおり会社に通


勤し、役場が作成した業務分担表に従って、


香西さんと2人分の食事を作ったりして過ごして


いました。



しかし、とうとうとなり町が 「僕」 と香西さんが暮


らす 「分室」 に査察に入るという情報を得て、


「僕」 は包囲網をくぐり抜け、舞坂町に戻るべく、


危険な逃走を試みることになります。







前半部分は、戦争でさえ事業分担し、各事業を


請け負う業者を入札で決めるとか、決裁が下りて


いないと何一つ進められないなど、完全にお役所


仕事を皮肉っているなと思いました。


しかし、後半部分は違いました。


「僕」 の逃走にはハラハラドキドキさせられました


し、 「僕」 が香西さんに仕事仲間以上の気持ちを


持ち始めることに胸が切なくなりました。




戦争はしてはいけないもの、と教わりましたが、子を


産み、働き盛りである私たちの世代、いやその親の世


代ですら、かつて日本で起こった戦争を知らないのに、


今の日本に戦争のやり方を知っている人なんていない


ような気がします。


なので、お役所仕事を皮肉っているように見えながら


も、今の日本で戦争となると、こんな方法で進められて


いってもおかしくないように思います。



少し認識が間違っているかも知れませんが、戦争は、あ


とに残らないもの (兵器など) に湯水のごとくお金をつぎ


込むため、景気回復の特効薬だと聞いたことがあります。



そういう意味では、受験戦争も確かに戦争ですね。


あとに残るかどうか (合格できるかどうか) わからないも


のに湯水のごとく (まではいきませんが) お金をつぎ込む


のですから。


あくまでも、親の立場からの意見ですけど・・・。



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私たちが好きだったこと/宮本 輝


宮本輝は、「泥の河」 「錦繍」 がよく知られて


いますが、本書はこの2作とは少し趣きの違


った作品です。


本のはなし ホンの少し


76倍の倍率の公団住宅に当選した 「私」 は


友人の写真家の愛称ロバと、2人で行ったバー


で偶然知り合った曜子と愛子の男女4人でそ


の部屋で共同生活を始めます。



不安神経症を患う愛子と、以前付き合っていた


妻子ある男性と縁が切れない曜子、2人は問


題を抱えていましたが、「私」と愛子、ロバと曜子


は付き合い始めます。



そして、4人はひょんなことから27歳の愛子の医


学部受験をもくろみ、また、たまたま知り合った高


校を中退した若者の世話を焼いたりして、借金を


重ねます。



それでも、2組のカップル、4人の共同生活は彼ら


にとって居心地が良く、少しあぶなっかしいながら


も、お互いを思いやりながら、楽しい日々を送って


いました。



しかし、その微妙なバランスを保っていた共同生活


も、とうとう壊れる日がやってきました。







和気あいあいとした陽気な共同生活から始まりまし


たが、最後は、その反動もあって、胸が苦しくなるよ


うな切なさがありました。



これぞ青春!といった雰囲気の共同生活でありな


がら、一方で、4人が1個の大きな玉で一緒に玉乗


りをしているようなあぶなっかしさも感じました。


だからこそ、「青春」を感じたんでしょうね。



この男女2人ずつの共同生活という設定もよかった


ですね。



女2人だと陽気な感じは出にくいし、男女だと単なる


同棲だし、男2人だと爽やかさは欠けるので。



こんな共同生活、楽しそうだなと思いましたが、言っ


てみれば、ワタシも家族という共同生活を送ってい


るのでした。



他人との共同生活と違い、家族との共同生活は、機


嫌が悪いときは返事をしない、というのもアリですし。



みなさんはそんなことはされないかも知れませんが、


ワタシは得意ワザです・・・。





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