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おばさん未満/酒井順子

女の人は、いくつぐらいから「おばさん」と呼ばれるようになるんでしょうね。

ワタシはおばさんと言われていい年代だと思うのですが、幸いにもまだ面と向かって言われたことはありません(陰では言われているかもしれませんが)。

最近の子どもは親のしつけが行き届いているようで、友だちのお母さんを「おばさん」とは決して呼ばず、「○○くんのお母さん」と言いますから。

筆者は、まだ「おばさん」ではないと思いながらも崖っぷちに立たされているのを認めざるを得ない「おばさん未満」の女性たちの焦りや戸惑いを面白おかしくエッセイにしています。

おばさん未満おばさん未満
(2008/09/26)
酒井 順子

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「髪」「女性誌」「服」「たるみ」など約20の章から成り立ち、筆者と同年代のワタシにはどれもこれもおもしろくて、そうそう、と頷きながら読みました。

筆者も言っていますが、かつては、おばさんと呼ばれる年代になれば、こういう服をを着て、こういう髪型にする、というのが決まっていたので、おばさんと呼ばれるのを避けられなかったかわりに、何を着たらいいか、どういうヘアースタイルにしたらいいか、迷うことはなかったのだと思います。

けれども、今は違います。

ワタシもそうですが、美容院に行けば、娘といってもいいぐらいの女の子と同じようなヘアースタイルにして、洋服を買おうとレジに並べば、後ろに並ぶ大学生ぐらいの女の子がワタシと同じものを持っている、などということが起こっているのです。

これを、まだまだ若いから、という言葉で簡単に片付けて、自分を客観視せずにいると、老いが訪れた肉体とのバランスがとれなくて、イタい人と言われかねないんですね。

実は、ワタシは実際に経験したことがあります。

息子の高校の入学式のために、これならぎりぎりイケるかも、と若づくり目のスーツを試着したときのことです。

そのスーツはサイズ的にはワタシにぴったりで、首から下だけを見れば何ら問題はなかったのですが、目線を上げて顔を含めた全身を眺めた瞬間、目を覆いたくなりました。

鏡の中のワタシは、普段着ないような若づくりの服を着ている分、服の上にのっている顔は普段よりも老けて見えたのです。

このときに見た顔と洋服のアンバランスさが、おばさんと呼ばれないことに安心しているワタシに老化をはっきり自覚させたのでした…。


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The コンプレックス/齋藤 薫

他人のコンプレックスを知ると、ホッとしたりしませんか。

こんなに完璧に見えるような方にも、コンプレックスがあるんだ、と知ったときには、目の前のその方を抱きしめてしまいそうになりますから。

本書は、コンプレックスを抱えるアラフォー、アラフィフの女性たちを主人公にした短編集で、彼女たちの28ものコンプレックスが登場するのですが、こんなことまでコンプレックスになるのかー?と言いたくなるぐらい、様々なコンプレックスが詰まっています。

TheコンプレックスTheコンプレックス
(2009/10/26)
齋藤 薫

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「ヤセたい女」「キレイ好きのふりをする女」「胸の小さな女」「二重にした女」など、タイトルを見ただけで主人公が抱えるコンプレックスがわかるものもあれば、「ヒマな女」のように自らコンプレックスをつくって自分を苦しめているようなものもあります。

その中で「昔、美人だった女」の主人公のコンプレックスがワタシには少し意外でした。

主人公 京子は、今では疎遠になったかつての親友七恵に偶然出会います。

彫の深い端整な顔立ちで男性にモテた京子は、20数年を経た今、若い頃の見るかげもないほど太り、目鼻立ちがくっきりしていた分老いがはっきりと現れたのに対して、目立たない容貌で京子の引立て役のようだった七恵は美しく年齢を重ねていました。

かつては七恵を引立て役にしていた京子でしたが、実は彼女に対してコンプレックスを抱いていたのでした…。



子どもの頃のワタシの2大コンプレックスといえば、「足が遅い」「背が高い」でした。

運動会が大キライで、少しでも低く見られるよう猫背気味にしていたワタシでしたが、人前で走ることなど無くなり、どこまで伸びるんだー?と思った身長がほどほどで止まった今、あんなに悩んだ2大コンプレックスが、きれいさっぱり消えてしまいました。

けれども、本書からもわかるように、大人のコンプレックスはこんなに単純ではないようです。

セレブで有名な私学にお子さん全員を通わせている知り合いがいるのですが、その方はご自身がパートに出ていること、ご主人が高卒であることをひたすら隠そうとされるのです。

大人なワタシ(?)はその2点には触れずに会話を続けていますが、心の中では「しんどいだろうなぁ…」と同情の念を禁じ得ないのです…。

 

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紫式部の欲望/酒井順子

モテモテのイケメンに言い寄られたりしたら、女性は多かれ少なかれ浮かれた気分になるのではないでしょうか。

主人公 光源氏が様々な女性と恋愛を繰り広げる千年前の小説「源氏物語」に登場する女性たちも、そんな気分を味わっていたのかもしれません。

本書は、千年に渡って読み継がれている「源氏物語」とその作者 紫式部を、筆者が現代女性の目で、おかしく、意地悪く、そして少し同情しながら、解釈しています。

紫式部の欲望紫式部の欲望
(2011/04/26)
酒井 順子

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同時代に才能を開花させた平安時代の女性の物書き(という言い方でいいのか?)のうち、「枕草子」の作者 清少納言は自らの才能を隠すことなく、自分の考えをはっきり口にする「陽」の女性であったのに対し、紫式部は人目を気にして、自分の考えを人前で口にすることなく、有り余る才能を持てあましていた「陰」の女性であったようです。

筆者は、その紫式部が口にしなかった欲望が「源氏物語」という希代の名著を産み出したと言っています。

筆者は式部に理解を示しながらも、ところどころ皮肉を交えて、式部の欲望を各章に分けて書いていて、「源氏物語」を全く知らない方も興味がない方も、面白く読めるのではないでしょうか。

20章のうち、「連れ去られたい」では光源氏が最も愛したとされる女性「紫の上」のように、素敵な男性に連れ去られたい欲望を、「モテ男を不幸にしたい」では時の権力者 藤原道長と関係を持っていたとされる式部が、源氏の2番目の正妻「女三の宮」が他の男性に寝取られる場面を描くことで、愛人のひとりとしてしか自分を見ようとしない道長に復讐したい欲望を描いているのでは、と筆者は言っています。

原文では「源氏物語」を読破したことがないワタシ(学生時代は源氏物語のゼミに所属していたのにも関わらず)ですが、著名な作家の訳本やコミック本「あさきゆめみし」(おおまかな物語の流れはこれで把握したといってもいいかもしれない)、本書のような解釈本にふれると、「源氏物語」の奥の深さが良くわかります。

けれども、ワタシは光源氏に男性としての魅力を感じたことはないですね。

全てを手に入れた者のおごりが見えてしまうからかもしれません。

そこそこの年齢になって思うのは、男性の魅力というのは容姿などではなく、色気の有無ではないかと。

と言いながらも、ジャニーズで誰が好きかと聞かれたら、「櫻井くんと錦戸くん」と答えるワタシは、やっぱり正統派のイケメンが好きなのかもしれません…。

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箸の上げ下ろし/酒井順子

箸の上げ下ろし、といえば、口うるさい人の小言の定番ですよね?

今、ワタシのまわりで口うるさい人といえば、やっぱりワタシでしょうか。

小言を言われることはほとんどなくなりましたが、言うほうは休むヒマもありません。

本書は口うるさい人の話ではなく、料理にまつわるエッセイ集です。

箸の上げ下ろし箸の上げ下ろし
(2004/05/16)
酒井 順子

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本書は、誰もが知っている(と思う)NHKのテレビ番組「きょうの料理」のテキストに連載されていたエッセイを、1冊の本にまとめたものです。

NHKということで、筆者の切れ味の鋭さはやや控えめになっているものの、それでもおもしろいです。

旅先での朝食の醍醐味(普段と比べてこれほどグレードアップする食事は無い)や、台所のスポンジの捨て時期(ワタシはいつも悩みます)や、学食の肉片が2片くらいしか入っていないカレー(ワタシが学生の頃は入っていないときあった)他、料理、食事にまつわるエッセイが詰まっています。

そしていちばん最後に、人生最後に何を食べるか?を綴った「最後のごはん」が登場します。

これって、わりとよく話題に出ますよね?

筆者は白いご飯と糠漬けをあげているのですが、確かにこれは捨てがたいですね。

しかし、ワタシは一歩進んで(?)、奈良漬けをあげたいですね。

ワタシは、幼い頃から奈良漬けが大好きで、ご飯に奈良漬けをのせたあとに残った茶色を見るだけで、幸せな気分になれましたから。

しかし、家でも漬けることができる糠漬け(ワタシも夏には漬けています)とは違い、奈良漬けをおウチで漬けている方は聞いたことがないですし、かといって、お店でちょくちょく買うほどお馴染みのお漬物ではないと思います。

なので、大好きでありながら、そう口にすることができない奈良漬けを「もう降参!」と言いたくなるほど食べてみたいのです。

ところで、奈良漬けは酒かすに漬けたお漬物だということをご存知でしょうか。

ワタシが子どもの頃から奈良漬けが大好きだったのは、未来を暗示していたのかもしれません。

毎日晩酌(というより寝酒?)を欠かさない今のワタシの姿を…。


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非婚家族/柴門ふみ

今回は、初めてマンガを取り上げてみました。

あの「東京ラブストーリー」の柴門ふみが、いろんな家族の形を描いています。

非婚家族 (4) (ビッグコミックス)

40歳を前にした主人公 洋介は離婚した元妻 知華子と偶然出会うのですが、それからしばらくして、妻 ひかるが息子 翔太を置いて家を出て行き、自らはリストラにあうという、めまぐるしい変化に見舞われます。

失業し、社宅を出て行かざるを得なくなった洋介は、知華子の好意に甘え、翔太とともに知華子のマンションに居候することになるのですが…。


10年以上前の作品だと思うのですが、おそらくワタシはその当時読んだとしても、そんなにおもしろくは思わなかったと思います。

人生80年といわれる時代、40歳といえば折り返し地点にあたり、前だけを見てきたこれまでとは違い、否応無くこれまでの人生を振り返り、この先の人生を考えざるを得ないのではないでしょうか。

知華子は雑誌の編集長としてバリバリ働くキャリアウーマンなのですが、不倫に苦しむ独身女性でもあり、その抱える寂しさは、夫と子どもを持つワタシにもなんとなく理解できるのです。

しかし、ワタシと同じく夫と子どもを持つひかるが、自由を求めて洋介のもとから飛び出すのは理解に苦しむんですけど。


柴門ふみのラブストーリーは、優しいけれど少し優柔不断な男性と、男性に頼らない強い女性の恋愛が多いですね。

ワタシはこの組み合わせが嫌いではないですね。

というより、読んでいてものすごく落ち着くんです。

ウチの夫婦がその組み合わせだから、というわけではないとは思うんですけど…。


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お引っ越ししてまいりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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