FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

退廃姉妹/島田雅彦


親子でぼんやりニュース番組を見ていたとき


のことです。


息子に「天皇って、おじいさんだよね?」と言


われて、ワタシも子どもの頃、そのお父さんで


ある昭和天皇をテレビで見ながら、「おじいさん


だなあ…。」とつぶやいたことを思い出しました。


本書は、その昭和天皇が現人神から人間に


なられた終戦直後をたくましく生き延びた、あ


る姉妹の物語です。


本のはなし ホンの少し


疎開することなく、東京で終戦を迎えた有希子


と久美子の姉妹は、映画会社に勤める父が


戦犯の疑いで逮捕された後、既に母を失って


いたため、2人きりで暮らすことになります。


授業が再開された女学校に通い始めたもの


の、2人には頼るべき人もおらず、また、戦後


街に出回り始めた米兵相手の娼婦に、あこが


れに近い気持ちを抱いた久美子は、いろいろ


考えた末、自宅で米兵を相手に娼館を始める


ことを思いつきます。


最初は、反対していた有希子でしたが、久美子


に説得されて、自分は客はとらないことを条件


に同意します。


そして、たまたま知り合ったお春と祥子と久美


子が娼婦となり、商売を始めます…。






荒唐無稽な気がしないのでもないのですが、実際


の戦後というのは意外とこんなものだったのかもし


れませんね。


よくある、反戦をうたって涙を誘うという戦争の物語


とは少し違っていましたが、だからこそ、違ったおも


しろさを味わえました。


私たちは、満ち足りた生活を送っているからこそ、


道徳心も倫理観もそこそこ備わっていますが、


食うや食わずの生活となれば、どうなるかわかり


ませんね。



よく、苦労をした人は強い、などと言いますが、ワ


タシは、これは違うな、と思っています。


苦労をした人は苦労というものを知っているから


こそ、その怖さを知っていますが、知らない人は


苦労を苦労とも思わず淡々と切り抜けてしまうの


ではないでしょうか。


苦労を知らない有希子と久美子が、まさにそうです。


10代の娘が米兵相手の娼婦になるなんて、蔑まれ


るか、かわいそがられるか、のどちらかだと思うの


ですが、久美子はそんなことをものともせず、女性


の職業として米兵の相手をし続けるのです。


確かにつらい経験をすると、次に同じような経験を


したときに、そのつらさを知っているからこそ、より


つらさが増すような気がします。


ワタシもそういう経験をしたことがあります。


第1子出産時は、陣痛というものがわからなかった


ので、「まだまだ痛くなるに違いない」と思いながら、


我慢できましたが、陣痛を知ってしまった第2子出


産時には、陣痛らしきものが始まった瞬間、鼻から


スイカをひねり出すような、あの痛みを思い出して、


コワくなりましたから…。



おもしろいと思って下さった方、
↓ クリックお願いします。ランキングに参加しています。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ

blogram投票ボタン


関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

keishomom

Author:keishomom
お引っ越ししてまいりました。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。