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雪冤/大門剛明

雪冤(せつえん)とは、無実の罪をすすぎ晴らすこと、という意味だそうです。

そのタイトル通り、冤罪事件が登場しますが、内容は冤罪よりも死刑制度に重点が置かれています。

『横溝正史ミステリ大賞』を受賞した長編ミステリーで、京都が舞台です。

雪冤雪冤
(2009/05/29)
大門 剛明

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若い男女が、その女性の家で何者かに惨殺されるという事件が起こり、その犯人としてその2人と親しくしていた八木沼慎一という京大在学中でありながら、既に司法試験に合格した若者が逮捕されます。

慎一は無実を訴えますが、裁判は進み、最高裁で死刑判決が確定します。

慎一の父で元弁護士の八木沼は、息子の無実の罪を晴らそうと尽力しますが、刑事罰が厳罰化となる風潮の中で、死刑執行数も増えており、慎一の死刑執行もいつなされるか、わからない状況となっていました。

時効が目前に迫り、真犯人は見つからずともせめて再審請求をしたいと弁護人の石和とも話し合う中、真犯人と思われる人物から連絡が入ります…。


最後の最後まで二転三転して、真犯人が誰なのかわからず、気が抜けませんでした。

そして、主題となる死刑制度に関しては、登場人物の言葉を借りた筆者の考えが熱く語られていました。

本書の中で、死刑とは被害者遺族が一時的に苦しみから逃れるためのものではあるかもしれないが、決してその苦しみを無くしてしまうものではないと書かれています。

確かに、そうかもしれません。

憎むべき犯人が死刑になれば一時的には溜飲が下がるかもしれませんが、愛する家族を失った苦しみが無くなるわけではありませんから。

けれども、遺族が犯人には死をもって罪を償ってほしいと考えるのも、当然だと思います。

死刑制度を廃止か存続か、だけではなく、もう少し踏みこんで考えさせられる内容です。


本書はミステリーとしても十分おもしろいのですが、舞台が京都ということで、京都に暮らすワタシにはどこが登場するのかにも興味がありました。

まずは、「出町柳」という、京都大学と同志社大学という、京都を代表する国立と私立の大学のほぼ中間に位置している、京都人なら誰もが知っている(と思う)地名が登場します。

しかし、その後は京都人でも読めない人がいるかもしれない「帷子の辻(かたびらのつじ)」、前を通っても見落としそうなぐらい小さな「大将軍八神社」、神社の多い京都ではマイナーな「白峯神社」など、京都人でも知らないような地名も頻繁に出てくるのです。

その他、京都市の南に位置する宇治市(十円玉に刻まれている平等院鳳凰堂がある街)の「黄檗(おうばく)」という何の変哲もない地名も登場し、京都と大阪を結ぶ「京阪電車」が大活躍します。

筆者は京都出身ではないのですが(ちなみに三重県)、大学が京都だったようなので、思い入れがあるのかもしれませんね。


こんなふうに、自分のよく知っていることやものが話題に上ると、テンションが上がり、「自分はこんなによく知っているんだー」と知識をひけらかしたくなりませんか?(ワタシはなります)

しかし、これって、聞かされているほうからすると、「うざっ!」となりますよね?

なので、おそらく今これをお読みいただいている方は、ワタシのことを「うざっ!」と思われているに違いありません…。


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