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虚夢/薬丸岳

今からちょうど10年前に起きた、大阪教育大学付属池田小学校事件を覚えておられますか。

刃物を持った犯人が小学校に侵入し、8名もの小学生を殺害した事件です。

本書は、冒頭にこの事件を彷彿とさせるシーンが登場します。

しかし、犯人が死刑となった池田小事件とは違い、こちらの犯人は心神喪失を理由に不起訴となるのです。

虚夢虚夢
(2008/05/23)
薬丸 岳

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佐和子が3歳の娘 留美を公園で遊ばせていると、そこへ突然刃物を手にした若い男性がやってきて、公園にいた人たちに次々襲いかかります。

佐和子も留美もその凶行の的になり、佐和子は一命をとりとめたものの、留美は亡くなります。

犯人の藤崎は12人もの人の命を奪ったにも関わらず、精神鑑定で統合失調症と診断され、刑法39条の「心神喪失者を罰しない」との法律により、不起訴となります。

この事件が原因で、佐和子と夫の三上は離婚するのですが、事件から4年が過ぎて再婚した佐和子から三上に連絡が入ります。

街で藤崎を見かけた、と。



文章に無駄なところが見られず、また登場人物の設定にも無理がないので、読みやすくて一気にいってしまいました。

筆者は刑法39条でぐいぐい押してくるのかと思いきや、そうではなく、登場人物をきちんと描いていて、結末への展開も丁寧でした。

ちょっとエラそうな言い方になりますが、模範的な文章だなと思いました。ワタシは好きですね。


精神を病んだ犯人藤崎が逃げまどう人々に刃物を持って襲いかかるシーンから始まるのですが、実は精神を病んでいるのは藤崎だけではなく、最後にもう1人現れます。

意外な人物なので、ここでは書きませんが。


「死んだ子の年を数える」という言い回しがありますが、あれほどつらいものはないな、と思います。

その言い回しどおり、佐和子の心の中から留美が消えることはなく、なんとも痛々しいです。

かわいい盛りの3歳で亡くなった留美とは違い、かわいげのかけらも無い我が息子ですが、それでも、死んだ子の年は数えたくありません。

ついでにいえば、「1人残される」というがイヤなので、ワタシは死んだオットの年も数えたくないのです。

オットより6歳下のワタシですが、何の根拠もなくワタシのほうが先に死ぬと決めているので、1人残される、何もできないオットが困らないよう、先日カレーの作り方を教えてあげました(といっても、ルーの箱の裏を読めば誰にでもつくれますが)。

しかし、妻に先立たれた独居老人がカレーを食べている姿というのは、侘びしく感じないこともないのですが…。


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