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楠の実が熟すまで/諸田玲子

永遠に続くのではないかと思われた「水戸黄門」の放映が終わり、テレビにおける時代劇の衰退が一気に進んだのではないでしょうか。

時代劇が華やかなりし頃は、タイトルに「隠密」なる言葉が入る時代劇も少なくなかったように思います。

本書は、幕命を受けて、隠密として敵方に妻となって乗り込んだ女性が主人公です。


楠の実が熟すまで楠の実が熟すまで
(2009/07/29)
諸田 玲子

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江戸時代も中期になり、武士の社会が安定してきた頃、幕府は京の公家たちからの多額の金銭の要求に頭を悩ませていました。

武士社会に反感を抱く公家たちが、金銭的な不足分は幕府が補填するというしくみを悪用して、幕府から金を引き出すために、贅沢な振る舞いをしているとの情報があり、幕府は捜査を開始します。

しかし、京に送り込まれた武士たちの必死の捜査も空しく、公家たちの悪事のしっぽをつかむことが出来なかったため、その武士の中のひとりである中井清大夫の姪 利津が公家の高屋康昆と結婚して、内情を探ることになります。

失敗すれば命さえも失ってしまう程の重責に利津は躊躇しながらも、役目と割り切って婚家に乗り込みますが、予想に反して康昆は人間的な温かさを持った、尊敬するに値する人物であり、先妻の子である6歳の千代丸も利津に懐き、彼女も千代丸に愛情を抱きます。

予想外のことに、隠密の仕事に迷いを覚える利津でしたが、捜査の期限である「楠の実が熟す」頃が刻々と近づいてきて・・・。




利津が乗り込んだ後、高屋家では次々と事件が起こり、また幽閉されている康昆の弟の右近の存在も謎に包まれていて、最後まで事の真相がわからず、気が抜けませんでした。

利津が康昆や舅の留守の間に家の中を探っている場面では、気の小さいワタシは、見つかったらどうしよう…?とハラハラドキドキしてしまいました。

しかし、彼女が父に送る手紙には感服しました。

万が一、敵に見られたときのことを考えて、事実をありのままに書くのではなく、知り得た情報を暗号のように散りばめながらも、日々の出来事を綴ったようにしか見えない手紙は、本書の中で重要な位置を占めているのではないでしょうか。



ところで、今年のNHK大河ドラマは「平清盛」ですね。

これは、貴族社会から武家社会への転換期にあたる時期を描いていますが、ここでは、武士は貴族に見下される存在となっています(あまり見ていないので、憶測も少し入っているかもしれませんが)。

しかし、本書の舞台となった時代には武士と貴族(公家)の立場が完全に入れ替わっており、武士が公家たちを管理下に置こうとしているのです。

傍若無人な振る舞いをする公家たちに、武士たちが怒りを覚えるの当然ですが、公家にとっては、見下していたはずの者に大きな顔をされるのが腹立たしくてたまらないというのもわからなくはありません。

ただ、武士社会になってから久しいのに、貴族社会の栄華を忘れることが出来ず、しつこく武士に敵対心を持ち続けるのもどうか・・・、という気がしないでもないのですが。

いうなれば、「モーニング娘」が「AKB48」に嫉妬して、イジワルするようなものでしょうか…?


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