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空き家再生ツアー/岸本葉子

尾道という街に行かれたこと、ありますか。

ワタシは、尾道が舞台となった、大林宣彦監督の映画「転校生」に魅せられて、ロケ地巡りをしたことがあります。

映像で見た場所を実際に訪れると、がっかりすることが多いというのをよく耳にしますが、尾道は違いました。

映画の中の世界が目の前に広がり、興奮したのを覚えています。

本書は、表題作を含む6編からなる短編集なのですが、表題作「空き家再生ツアー」は尾道が舞台(明記されていないのですが、間違いなくそうです)です。


空き家再生ツアー空き家再生ツアー
(2010/11/02)
岸本 葉子

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瀬戸内を臨む坂の多いその街では、空き家となっている趣きのある古民家に移り住んでもらおうと、「空き家再生ツアー」なるものが企画されます。

独身のまま働き続けて50歳を迎えた篤子は、全てを捨ててこの街に移り住むことを考え、東京からひとりで参加しますが、他の参加者たちは年齢も境遇も様々なようでした。

リタイアした裕福そうな老夫婦、男性が常に女性の機嫌を取っている中年カップル、有機野菜のレストランを始めようとしている若い夫婦など。

他の参加者と話らしい話をほとんどしなかった篤子ですが、中年カップルの男性のほうが先に帰ったあと、残った女性 貴和子と篤子はぽつりぽつりと言葉を交わし始めます・・・。




本書の短編の主人公は、どれも40~50歳代の、真面目だけれど、生きるのがちょっと不器用な女性たちばかりです。

結婚という縁には恵まれなかったけれど、生活には困らない程度の仕事を持ち、堅実に暮らしてはいるのですが、表面的には面白味に欠ける人生を送っているように見えます。

しかし、人生とは実はこんなものかもしれません。

長い人生の中で、心が浮き立つような出来事など、ホンのちょっぴりで、昨日したことを今日もまた繰り返す日が続いていくだけなのではないでしょうか。

本書は、そんな目新しいことなど特にない日々の中に、些細な喜びや発見を見出していくことこそ、地に足を着けたオトナの生きる道なのでは、と思わせてくれました。



ところで、本書は人気エッセイストである筆者が初めて執筆した小説だそうです。

小説とエッセイとは、似て非なるものなのか、小説は素晴らしいのにエッセイはつまらない、エッセイはおもしろいのに小説は読む気が起こらない、という2タイプの作家に度々出会います。

筆者はワタシのお気に入りのエッセイストなので、「(小説が)おもしろくなかったらどうしよう…?」と、ページをめくる手が震えてしまいました。

が、結果は◎でした。

これも変化の無い日常の、小さなうれしい発見なのではないでしょうか…。


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