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夜の橋/藤沢周平

ワタシにとっての時代劇の醍醐味といえば、ままならぬ人生を黙って受け入れる登場人物の切ない姿でしょうか。

短編集である本書にも、そのような人々が登場します。

その中の『暗い鏡』のおきみの切なさが、最も胸にしみました。

夜の橋夜の橋
(2006/08/25)
藤沢 周平

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鏡砥ぎ師の政五郎は、一人前になった息子と職人たちに主な仕事はまかせて、半分隠居のような生活を送っていました。

そんなときに、姪のおきみが殺害されたとの連絡が入ります。

弟夫婦が亡くなったあと、政五郎はしばらくその娘であるおきみを預かっていましたが、程なく彼女は米屋に奉公に出たはずでした。

しかし、死体として発見されたおきみは、春をひさぐ生活を送っていました…。




ひとり暮らしをしたことがないワタシは、寂しいという感情にあまり左右されることなく今日まで来ましたが、実は人は寂しさにとても弱いものなのかもしれません。

おきみはろくでもない男に騙され、身を持ち崩していきますが、そうなっていったのは寂しさのためだと思います。

誰かに頼りたい、心を許す相手が欲しいと望むのは、人は誰しも、若い女性であればなおさらのこと、当然のことだといえるのではないでしょうか。

おきみの姿が切ないです。



本書には、男としての見栄えは良いけれど、生活者としての能力を備えていない男性が何人か登場し、そういう男性に惹かれてしまう女性たちが描かれています。

確かにわからないことはないですね。

若い頃は見た目が大事ですから。

けれど、人生経験をそこそこ積むと分かると思います。

きれいなラッピングペーパーで包まれたゴミより、新聞紙にくるまれたダイアモンドのほうが価値があるということに。

ただ、ダイアモンドを包む新聞紙は、しわが無いよう、ピシッとしていただきたいのですが…。


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